About Jonas Hansson

- The Man On The Silver Mountain -



Jonas Hanssonは不遇の男だ、と僕は思っています。彼は旧友Yngwieとほぼ同じ時期に アルバムデビューを果たし、双璧をなすギタリストと呼ばれた男です。 しかし、その後Yngwieが破竹の勢いでスターダムをのし上がっていったのに対して、 逆にJonasはその陰に隠れるかの様になっていった気がします。そしてその後 JensとAnders のJohansson兄弟を引き抜かれたり、何かとYngwieにかき回された 感があります。Yngwieのところで活躍した人物のなかにはSilver Mountainと かかわりのある人物が結構います。先のJensとAndersのJohansson兄弟、最近まで Yngwieの所にいたMats Olausson、それからYngwieの"Ecripse"でドラムを 叩いていたのは、Silver Mountainの2nd、Liveで歌っていたCrister Mentzer が結成したNorden Lightに参加しているMichael Von Knoring、といった面々です。

ちょうどYngwieがシーンに登場すると、彼のフォロアーとでも言うべきギタリストが わんさかとデビューしました。Racer X のPaul Gilbert、Tony Maclpain、 Cris Impellitteri、などなど。当時はある意味でクラシカル系ギタリストが シーンを接見している感が ありましたが、そのなかで、Jonas Hanssonのギターは確かにクラシカルテイストを 多分に含んではいましたが、Yngwieのそれとは全く違うものだと思います。 Yngwieのギターは、直線的、攻撃的、そしてまさにバロック音楽をギターで 弾いているという印象、一方Jonasのギターは非常に繊細で確かに クラシカルではあるけれど、それに北欧の民族音楽的な要素が加わって、 非常にリりシズムに溢れ、ノスタルジーを感じます。 ガスバーナーの炎と炭火の炎とでもいったところでしょうか。

JonasはSilver Mountainでライブアルバムを含む4枚のアルバムを残して いますが、その後単身LAに渡り、スタジオでプロデューサー/エンジニアとして 働く傍ら現在でも音楽活動を続けています。
彼がLAに渡って最初に行ったのは最新の機材を用いてのインストゥルメンタル 作品のレコーディングでした。"STORATVARIUS"と名付けられたこの作品は ほぼアルバムの形にまとめあげられていたそうですが、結局リリースには 至っていません。しかしその中のタイトルチューンと思われる"STORATVARIUS" という曲は'89年にJonas Hanssonがスウェーデンの地元バンドの作品を集めて 作ったコンピレーションアルバム"Rock of Sweden Vol 1"のB面一曲目に 収録されています。この曲"STORATVARIUS"は全編にわたってネオクラシカル テイストが炸裂し、僕はこの作品を数年前LPで購入して聴いたときは、思わず ガッツポーズを取ってしまいました。何度も書きますが、Yngwieとは一味も 二味も違うクラシカルな雰囲気が堪能できます。しかしこの作品は'89年に 発表されているので、LAに移ってから彼は改めて作り直しているかも知れません。 雑誌のインタビューによるとJonasはLAに来てから一年はスウェーデンには 帰っていないからです。だから、コンピレーション収録のヴァージョンは 彼がスウェーデン時代に作成していた作品かもしれません。なおこの曲は 最近発表された"SWEDISH METAL EXPLOSION"なるブートレッグCDに収録されています。 しかし、僕の思いとしては出来れば"STORATVARIUS"をアルバムの形でリリース してくれないかなあと思うのですが、何処かレコード会社のディレクターの方、 もしこれを読んで下さったら是非とも検討して下さい。とにかく 素晴らしいんだから!!

それから彼は他のアーティストの作品にセッションで参加したり、レコードディール の取れないスウェーデンのバンド達の為にコンピレーションアルバムを作成したり していました。セッション参加した作品で僕が知っているのは元Silver Mountain のべーシストPer StadinのEasy Livin'(後のSnake Charmer)の"Children Of Future" (コンピレーションアルバム"STREETWIZE"収録、World Apart原曲)でギターを 弾いています。あまりクラシカルなソロは披露していませんが、Jonasのプレイ を知ってる人なら彼のソロだと分かると思います。そんなように、Silver Mountain 解散後も彼は彼なりに音楽活動を続けていました。

それからJonas Hansson Band の結成となる訳ですが、実はこれは元もとALCATRAZZ の再結成と大きくかかわっているのです。ALCATRAZZとはYngwieが在籍していたことで 知られるあのバンドです。JonasはまずべーシストのGery Sheaと知り合います。 そしてその後彼からJonasはALCATRAZZのギタリストとして誘われます。この時 DrのJan Uvenaも乗り気でVoのGraham Bonetも興味は示したもののGrahamは当時 BLACKTHORNなるバンドを始めたばかりで、結局ALCATRAZZ再結成の話は流れて しまうのですが、Grahamを除く三人が新たにVoとしてMIKE STONEを加え Jonas Hansson Bandとして活動を開始します。そして'94年に1stアルバム "NO.1"がリリースされます。ここで聴かれるサウンドは1st時のSilver Mountain を思わせる感じで、ラフなロックンロールにJonasの泣きのギターがのり、 北欧らしい歌メロが聴かれます。それから二年後2ndアルバム"SECOND TO NONE" が発表されます。ここではVoがSTANLEY ROSEになりB のGery Sheaがバンドを離れ (彼は現在は音楽活動をしてないらしい)、あらたにMorten Anderssonなる スウェーデン人を迎え制作されています。サウンドは"NO.1"と同一路線 ですが、前作の"Open Your Eyes"的な曲はありませんが、 よりSilver Mountain らしさがうかがえます。 また彼はJonas Hansson Bandと平行してロックオペラの制作も進めているらしく 、そこではサウンドトラックだけでなく、自ら脚本も手掛けているようです。

現在彼はインターネット上にホームページを出しています。URLは、

http://home.earthlink.net/~chrisse/

なお、最近 Jonas は新しい HP を製作中のようです:

http://www.jonashansson.com/

です。それを見ると"CLASSICA"なるプロジェクトがありますが、 これは、さきの "Stratovarius" とは別物であると Jonas 本人が Mail で語っていました。そしてついに!!!CLASSICA がリリースされました!!!! 評細はこちら:

CLASSICA(On His site)

です。みなさん!!!是非とも Check して下さい!!!!!!!

彼は現在はLAとスウェーデンを行ったり来たりという生活を送っているようですが、 Silver Mountain 解散後もこうして音楽活動を続けていてくれることは僕にとっては とても嬉しいです。Silver Mountain再結成の噂もありますが、 それはまさに秒読みと言った所でしょうか。かなり現実味を帯びてきていると 思います。とにかく彼にしか 作り得ないあの北欧の音色だけは絶やさないで欲しいと切に願っています。 そして、彼のつくり出したすばらしい作品がいつの日か近いうちに 正当な評価を得られるように心から切望します。